スクリーンの半分をパワポ,半分を自分を出す

Atem Mini Proを持っているので,パワーポイントを映しながら,自分の顔を出すこともできる。しかし,Atem Mini Proとか使わなくてもできそう…と思っていたら,それを察したAtem Mini Proが不調になり,結局,検索してやる羽目になった。OBSも考えたけど,今回はありもののアプリでできるならそれに越したことはないということで。

参考にしたのは,How to present your video and content side by side in a Microsoft Teams meetingと言うサイト。単純にいうと,スクリーンの半分にスライドショーを,もう半分にカメラアプリで自分を写すというもの。参考にしたサイトの手順でほぼできたのだが,パワポの設定で1つだけ追記があるので,その点を含めて紹介。

  1. パワポの「スライドショーの設定」で「出席者として閲覧する(ウィンドウ表示)」を選んでおく。こうしないと,パワポのスライドショーがフルスクリーンになってしまうので,画面に半分だけ写すことができない。
  2. スライドショーを実行して,スクリーンの半分程度にしておく
  3. Windowsであれば,カメラアプリを起動する。右下の検索ウインドウからカメラを探すとすぐに出てくる。
  4. カメラが起動したらモードを動画にしておくと良い。静止画のままだと,顔認識の枠が出てくる。
  5. カメラの画面をスクリーンの残り半分にする。
  6. ZoomやMS Teamsでこのパワポとカメラの画面を共有する。

注意

  • パワポの文字などの大きさの関係で,必ずしも画面を半分にする必要はないが,うまくやらないとデスクトップが映るので,デスクトップのアイコンなどは整理(パワポのスライドショーの裏に寄せる)
  • 標準のカメラアプリは背景設定はできないので,自分の後ろが丸見えになる
  • ZoomやMS Teamsでカメラをオンにしてから,アプリのカメラをオンにすることはできない。逆も然りで,アプリのカメラがオンの状態で,ZoomやMS Teamsのカメラをオンにしようとすると警告が出る。

Nicklin, C., & Vitta, J. P. (2021)

Nicklin, C., & Vitta, J. P. (2021). Effect‐Driven Sample Sizes in Second Language Instructed Vocabulary Acquisition Research. The Modern Language Journal, 10.1111/modl.12692

本研究では、指導による第二言語語彙獲得(L2 IVA)の研究81件を2つの段階に分けて分析した。第1段階では、研究の効果量を分類し、コード化した。基本的な被験者間デザインと被験者内デザインの二分法では、観察された効果の不均一性を捉える感度が不足していたため、より詳細なアプローチを採用した。被験者間デザインと被験者内デザインの両方において、指導と比較の対照は、L2 IVA実験で最も関心の高い比較を最もよく表しており、効果量(g)の中央値は0.62(被験者間)と0.25(カウンターバランスを取った被験者内)であった。第II段階では、第I段階で観察された効果量の集計値を、一般的なL2 IVA分析のおおよそのサンプルサイズを示すために、事前に行うパワー分析のシミュレーションに利用した。保守的なパワーを与えた被験者間デザインでは、シミュレーションでは292~492人のサンプルサイズが提案された。カウンターバランスを取った被験者内デザインでは、反復測定の間に想定される相関関係に応じて、95~203人の被験者が必要であった。これらのシミュレーションの包括的な意味合いは、将来のL2 IVA実験では、先行研究の効果量を参照して,より大きなサンプルが必要であることを示唆している。本研究では,より大きなサンプルを得るという問題に対して3つの可能性のある解決策を提示している。

オンライン授業の記事3部作

コロナ禍に翻弄された2020年度は,たまたまお声がけいただいて,大修館の『英語教育』にオンライン授業関連の記事を3回寄稿させていただいた。大修館の担当者から,「3部作ってことで」と言われ,書いてみたものの,どこが3部作なのか…。さておき,2020年の振り返りもしていなかったので,3部作(笑)で何を書いたのかを振り返って,去年の振り返りにしてしまおう。

6月号(発売は5月)の英語教育では,「【緊急特別記事】オンライン教材を利用した英語授業で気を付けたいこと」として,オンライン授業をする際の留意点を5点ほど紹介した。記事を書いているのは4月上旬の時点で,勤務校でオンライン授業を行うことが決まった直後であり,さて,どうしようと考えていたところであった(勤務校でのオンライン授業への方針決定などは,こちらの記事を参照)。紹介した留意点は,

  1. 自学自習で済ませてはいけない
  2. オンライン教材の入り口は1つに
  3. 学習時間ではなくて,学習成果で判断
  4. コントロールできないものはしない
  5. 手を変え,品を変え,飽きさせないように

という5点で,バタバタした中で書いたにしては,まともなことを書いている(ような気がする)。実質,数日で書いて,寝かせて,即校了だった記憶がある。

これらの留意点のいくつかを広げたのが,第2作と第3作なっているので,オンライン授業元年の基本方針になりうるものを含んでいたのだと今思ったりする。

第2弾は,夏の終わりの別冊『英語教育2020年10月別冊 英語教師のためのオンライン授業・動画配信ガイド』に寄稿させていただいものである。タイトルは「オンライン授業におけるフィードバックの工夫:広島大学における実践例」としてあり,主に,6月号で述べた留意点の1に関するものである。記事を書いているのは,7月なかばくらいなので,前期の終わりが見え始めた頃だった。実践報告を書くつもりが,フィードバックに重心を置いてほしいということだったので,依頼を受けてから方向転換をした記憶がある。自分としても,ライブ型授業であれ,オンデマンド型授業であれ,いずれにせよフィードバックをどうしようかと悩んでいたので,実践報告として書きながら自分の頭を整理することができた。ライブ型授業とオンデマンド型授業で分けてフィードバックの具体的な方法を書いたが,細かいTipsのようなところで,意外と役に立ったところがあったようで,安心した記憶がある。

第3弾は,2月号(1月発売)で,「オンデマンド型授業における成績評価の工夫」という記事。6月号の3と4の留意点を振り返りつつ,別冊の内容も含んでいる。評価というのは,対面式授業でも困るのに,オンラインだと尚困るということで,試行錯誤を記事にしたというもの。特に大学でのオンデマンド授業を想定しているので,成績処理と出欠のあり方をメインにした。私の記事の前後にもオンライン授業での評価についての記事があり,どちらも,ちゃんと形成的評価という用語を使って,詳しく説明をされている。大変に為になったと同時に,「あ,形成的評価とか,総括的評価とか使えばよかった」と反省した。

そんなこんなで,オンライン授業の記事を3つ書いて,それで終わったような2020年だったけれど,それだけ,オンライン授業でお困りの先生方が多くいたということでしょう。何せ,オンライン授業の専門家でもない私に寄稿依頼が来るくらいですから。たまたま,勤務校でオンライン授業を以前から進めていたので,試行錯誤で学んでいたところを共有することができたのですね。今となっては,あ当たり前になったことを書き散らした感もありますが,どこかでお困りの先生のお役に立てたなら幸いです。

Excelで指定した行ごとに数値を1増やす

たとえば,5行ごとに1増やすというような場合の話。

人力検索はてなのこちらのページに同じような質問と答えがあったので,そちらを参考にして解決しました。

https://q.hatena.ne.jp/1345074944

=INT( ( ROW() - 開始行 ) / x行毎 ) * yずつ増やす + 最初の数値

ということなので,

=INT((ROW() - 1) / 5 ) * 1 + 0
  A
1 1
2 1
3 1
4 1
5 1
6 2
10 2
11 3

Uchihara, T., Webb, S., & Yanagisawa, A. (2019)

Uchihara, T., Webb, S., & Yanagisawa, A. (2019). The Effects of Repetition on Incidental Vocabulary Learning: A Meta-Analysis of Correlational Studies. Language Learning, 69(3), 559–599. https://doi.org/10.1111/lang.12343

このメタ分析の目的は、遭遇回数と語彙学習との間の相関係数を報告した主要研究をメタ分析することで、反復と第二言語(L2)の付随的語彙学習との間の複雑な関係を明らかにすることである。26の研究(N = 1,918)から45の効果量を合成して定量的に分析し、頻度と学習の関係の平均効果量を算出し、この研究で注目した10の変数がこの関係をどの程媒介するかを調べた。その結果、反復学習には中程度の効果(r =.34)があることが示された。その後の媒介分析の結果、反復効果の大きさのばらつきは、学習者変数(年齢、語彙知識)、処遇変数(間隔をおいた学習、視覚的サポート、エンゲージメント、遭遇回数の範囲)、方法論の違い(非単語使用、理解度テストの予告、語彙テストの形式)によって説明されることが明らかになった。これらの結果をもとに、今後のL2付随語彙学習研究の方向性を示唆する。

Webcam Setting

WebカメラやPC内蔵のカメラなどの設定を行えるソフト。

研究室のPCは窓に向いているので,どうしても背景が明るく,自分の顔が逆行気味になるので,暗くなってしまう。それを解消するために導入。

  1. こちらからダウンロードをして,(デスクトップなど)適当なところに解凍
  2. WebCamSetting.exeをダブルクリック
  3. PCにカメラとして認識されているカメラの一覧が出てくるので,そのCamName以下のカメラ名をダブルクリック
  4. 設定プロパティが出るので,調整(Zoomなどで画面を見ながら調整ができる)

Soxで2回リピートの音源を作る

英語単語を読み上げている音声ファイルを作り,それを1単語ずつに切り分ける方法は,以前の記事で取り上げた。このファイルは1回の読み上げなので,2回の読み上げをしたい。以下の手順について忘備録として書いておく。

  1. Soxの準備
  2. 2回リピートのsoxコマンド

Soxの準備

Soxの準備については,こちらのページで詳細を説明してくれているので,参照のこと。

WIndows10への導入の概要としては以下の通り

  • Soxのダウンロード(こちらが配布サイト。中ほどのDownloadからSourceforge’s File Release System.に進み,ダウンロード(今回は,Sox/14.4.2/sox-14.4.2-win32.exe)
  • インストール。exeファイルをダブルクリックで自動的にインストール。デフォルトでは,C:¥Program Files (x86)¥sox-14-4-2に入る。
  • このままだと,mp3は使えないので,app.box.comからlibmad-0.dll_and_libmp3lame-0.dll.7zipをダウンロードして,中身をsoxのファイルに入れておく。
  • Pathを通す(上記の説明サイトを参照)か,soxを入れたフォルダで作業する。

2回リピートのコマンド

Soxのコマンドについては,こちらのサイトを参照。

今回は,以下のコマンドで良い。

sox 入力ファイル(対象としたいファイル) 出力ファイル(書きだしたいファイル名)repeat 1

*一瞬ハマったのは,リピートを2回させたいので,最後を2にしたら,元の音声+リピート2回で3回読み上げられた。

ファイルが大量にあるので,コマンドプロンプトでforで処理。出力ファイルは,同じフォルダにtwiceというフォルダを作り,そこに入れる。

for %f in (*.mp3) do (sox %f ./twice/%f repeat 1)

Audacityで大量の音声ファイルの切り分け

Globalvoice Englishで100単語を含む音声ファイル(.wav)を1つ作成し,それをAudacityで100の音声ファイル(.mp3)にしたときのAudacityの設定の話。

  1. 「編集」-「設定」ー「取り込み/書き出し」にある「メタデータエディタを書きだしの前に表示(h)」の前のチェックを外す。(これをしないと,のちにメタデータエディタで100連打することになる)
  2. Audacityへ音声ファイルを置く(ドラッグアンドドロップで良い)
  3. 「解析」-「Silence Finder」で出てきた画面でとりあえず,OK
  4. 「ファイル」-「複数ファイルの書きだし」
  5. 「書きだし場所」で任意のフォルダを選ぶ
  6. 「ラベル」の下にある,「最初のラベル以前のオーディオデータを含む」の前のチェックを入れる。(これをしないと,1つ目の単語が飛ばさせる)
  7. 「ファイルの命名」で「ラベル/トラック名の前の番号付加」を選び「書きだし」

これで100個の音声ファイルができる。あとは,バッチファイルなんかで,ファイル名を一括変更すればよい。

Microsoft Streamで動画の限定公開

大学の公式LMSであるBb9が大量の動画アップロードとその視聴のために授業日になると非常に重くなったり、動画が見られないと言うことがある(2020年4月21日現在)。そこで、広島大学が契約しているMicrosoftから、Streamと言う動画配信サービスを使って必要な動画を配信する。しかし、デフォルトのままで使うと、全公開か、会社(=広大)の中での公開となってしまい、ちょっ恥ずかしい。そこで、Microsoft Teamsでチームを作って、そこに属する人々だけが見られるようにする。

手順としては、以下の通り。

  1. Microsoft Teamsで授業チームを作る
  2. 学生を貼り付ける(これCSVとかでできないかな。今は1人ずつ入力)
  3. 1日くらい待つ
  4. Streamのマイ・コンテンツからグループを選び、作成した授業グループ名があるのを確認する
  5. Steamに動画を上げる
  6. マイ・ビデオの画面から、授業グループに見せたい動画の横にある「チャンネル/グループに追加」を選ぶ
  7. グループの検索から、授業グループ名を検索し、表示にチェックをいれる。

4月中旬くらいまでの新型コロナ対応の話

どんなことをしたかを記録するために、書いておこう。

新型コロナ感染症が広がりを見せていた2月初旬頃から色々と事態が動き始めたが、当初はそれほど心配しなくても良い雰囲気があった。所属するセンターで毎年行われている集会を中止としたことを、学内のとある会議でのべたところ、「やりすぎではないか」とい声が聞こえた聞こえたほどである。しかし、2月中旬から下旬に差し掛かると、大型イベントが自粛され、学内でも予定しいてイベントはいずれも中止となった。それでも、4月の授業は大丈夫だろうと言う雰囲気であった。

3月下旬くらいになると、これは授業を通常ではできないのではないかと言う雰囲気となり、特に語学は実験系の授業と並んでどうすべきかを考えることとなった。特に、前期(第1タームと第2ターム)にある英語のスピーキングはどうしようかと頭を悩ませた。まだ、3密と言う言葉が出ていなかったので、

  • 教室は喚起する
  • 座席の間隔を空ける
  • 会話等の練習(ペアワークやグループワーク)はしない

と言う方針で授業を行う予定であった。ただし、希望者にはオンラインでの授業も可能と言うこととなった。

しかし、3月も最後になって、語学としての対応を確認されたところで、オンラインを基本として欲しい旨を述べた。これは、当時の広島での状況を考えると大袈裟とも取られる可能性もあったが、学内での感染リスクをできるだけ考えてのものであった。英語と初修外国語は、1年次生は全員が、2年次生も多くが履修をする。1年次生は広島県外からも多くやってくるし、2年次生以上で語学をさらに取る学生は、春休みに海外留学に行く学生も多い。語学系が対面式を止めることで、1年次生をキャンパスになるべく来ないで済むようにもしたかった。また、この段では、オンライン授業に関する質問と対面式でどのように授業を転換すべきかについての質問が多く寄せられ、特に対面式を希望している教員が多く、授業の中でペアワークやグループワークをどうにかしてやりたいと言う気持ちがひしひしと伝わってきた。これは危ない傾向だと判断した。

4月3日時点では、英語と初修外国語の判断で、4月8日から15日は一斉休講とした。しかし、さらなる議論を重ねて、4月8日から5月1日まで、つまり連休前までは、一斉休講とした。その間で、できるだけ公式Learning Management System(LMS)であるBb9の操作方法を英語や初修外国語担当者に覚えてもらい、4月15日から、できる教員からオンデマンド式での補講をしつつ、5月7日からの対面式授業までどうにかたどり着く予定であった。そうこうしているうちに、大学の方針も、第1タームの開始を4月8日から一週間延ばし、15日とする決定をした。その決定の翌日には、4月15日から5月1日まではオンライン授業とする決定へと変わった。

これらの決定を受けて、Bb9セミナーの開催を計画し、客員教員(非常勤教員)に対して、交通費や研修費等が出せるように事務との折衝、セミナーの案内などを行い、4月9日(東広島は午前と午後、東千田では午後)、4月10日(東広島で午後)の計4回のBb9セミナーを行った。また、4月14日には東千田においてフォローアップセミナーを開催した。専任教員の参加もあったため、かなり多くの人数が参加し、会場の密集を避けるために苦労はしたが、それなりに基本的なところは説明ができたのではないかと思う。

英語の教員については、4月15日以降のなるべく早い時期にBb9上で学生への指示を徹底するように依頼をした。客員教員を含め、ほとんどの教員が何かしかの指示を出してくれたようで、思ったほどの混乱はなかったのは幸いである。特に、所属するセンターの教員だけが担当するティーム・ティーチングの授業では、同じ名前の授業に担当教員が2名あるので、1年次生は混乱したと思うが、担当教員がチームとなってBb9を作り込んでくれたおかげで、最小限の混乱で済んだことと思う。

現在(4月21日)でちょうど1週目が終わり、2週目、つまり、本格的に授業が始まるところである。当初、英語では、全員がオンデマンド式で始める予定であった。それは、ライブ型のオンライン授業では、学生のインターネット環境がわからない限り、アクセスできない学生が増えたり、データ通信制限に引っかかる学生がいる可能性があるからである。特に、キャンパスに学生を来させない観点からは、できるだけオンデマンド型が望ましいと思われる。ただし、学生側のインターネット環境が担保されている場合に限り、ライブ型もありうるため、あくまでもオンデマンド型が望ましいと言う要望としている。この点を調査しつつ、オンデマンド型、ライブ型、場合によっては、課題を郵送する方式も考えなければならない。

5月の連休明けから対面式ができることを望みに授業を行っている教員もいる。しかし、現状を考えると、オンライン授業を続けるしかないと考えている。大学の生協の教科書販売では、教科書の宅配サービスを行っているが、毎日100人以上の学生に郵送しているそうである。学生はキャンパスにはいない。キャンパスが安心できる場所でないなら、そこで授業をすることはできない。であれば、オンライン授業しか残されていない。

現在、Microsoft Teamsを用いた授業のセミナーを企画中である。

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