Hernández, Costa & Arnon (2016). More than words: multiword frequency effects in non-native speakers

Hernández, Costa & Arnon (2016). More than words: multiword frequency effects in non-native speakers, Language, Cognition and Neuroscience, DOI:10.1080/23273798.2016.1152389

 

Abstract

英語の母語話者は複数の語からなる句(Multiword phrases)の頻度に敏感である。つまり,全ての語の頻度を統制したのちに実験をすると,より句として高い頻度のものをより速く処理する(例:高頻度:Don’t have to worry vs. 低頻度:Don’t have to wait)。さて,遅い時期に学習を始めた中級から上級の(英語)学習者(late English learners)もまた,大きな言語単位,ここでは4語の組み合わせ,の分布特性に敏感なのだろうか。本研究では,句性判断課題を用いて,学習者も英語母語話者と同様に,複数の語からなる句の頻度を処理していること示した。これは,頻度のより高い句に対してだけでなく,頻度の連続体を通して見られた。すなわち,英語母語話者と同様に,学習者も,より低い頻度の句とより高い(しかしそれでも頻度としてはまだ低い)句を比べた場合においても,複数の語からなる句の頻度効果を示した。加えて,この効果は英語の接触の種類(イマージョンか,教室内か)により変わるものではないことも示された。これらの結果から,遅い時期に学習を開始した言語使用者であっても,母語話者並みに,大きな言語単位の分布特性への敏感さを発達させることができることが示された。