Iwaizumi, E. and Webb, S. (2022).
Iwaizumi, E., & Webb, S. (2022). Measuring L1 and L2 Productive Derivational Knowledge: How Many Derivatives Can L1 and L2 Learners with Differing Vocabulary Levels Produce? TESOL Quarterly, 56(1), 100–129. https://doi.org/10.1002/tesq.3035
語彙学習者にとって、ある単語の派生語を理解し、生成する能力である派生語知識は、語彙の知識を広げるために不可欠である。先行研究(Schmitt & Zimmerman, 2002など)では、L2学習者はL1学習者に比べて派生語を生成する能力が低い可能性があることが示されています。しかし、派生語の生産的知識がL1学習者とL2学習者の間で、また語彙知識のレベルが異なる学習者の間でどの程度異なるかは、まだ検討されていません。本研究では、語彙レベルの異なるL1英語話者(n = 23)とL2英語学習者(n = 107)が、非文脈的な派生語想起テストにおいて、90の見出し語の派生語をどの程度生成できるかを調査しました。一般化線形混合モデルの結果、L1およびL2生産的派生知識は有意に異なり、L2生産的派生知識は語彙レベルの異なる学習者間で異なることが示された。しかし、L1話者と高い語彙レベル(3000-5000)を習得した学習者は、非文脈的想起テストにおいて、同程度の数の派生語を生成することが明らかになった。この結果は、学習者の語彙レベルがL2の生産的派生語知識をある程度示している可能性を示唆している。最後に、この結果をもとに、L2生産的派生知識の教育・評価に関する教育的含意を考察した。